大卒でも望む職に就けず、AIと需給のずれで不完全就業拡大-米国の今

  • AIで初級職減少、卒業者増で需給ギャップ深刻化
  • 採用停滞で米国で就業機会縮小、若年層にしわ寄せ
ヴィスカルディス氏の卒業帽

やるべきことは全てやったと思っていた。借金を背負い、4年間にわたり講義や実験に耐え、リポート作成や試験勉強のために徹夜を重ね、大学の学位を手にした。だが今の米国で彼らが就いているのは、高校生でも得られるような仕事ばかりだ。生計を立てるために衣料品店でレジを打ち、コーヒーショップでエスプレッソを入れ、ベビーシッターをしている。

  こうした不完全就業の大学卒業者が増えつつある。これは、取得した学位を必要としない仕事に就いている若者を指す経済用語だ。ニューヨーク連銀によると、2025年12月時点で22歳から27歳の大学卒業者のほぼ43%に当たり、1年間で3ポイント超上昇し、コロナ禍以降で最も高い水準となった。わずか12カ月で大きく上昇したものの、その水準は依然として世界金融危機時に記録された水準を下回っている。