金融危機からコロナ禍、そしてイラン戦争-世界の協調対応能力は後退
- 政府・中銀による前例なき対応で世界の債務残高は過去最大
- 財政余力とリーダーシップ欠如で次なる危機への備えは不十分
過去数十年、世界的な経済危機が発生するたびに各国・地域は結束してきた。金融システム不安が世界経済に波及した2007-08年には、中央銀行が大規模な金融緩和で市場を支え、指導者らは協調対応を打ち出した。その10数年後の新型コロナウイルス禍では、前例のない財政支出で対応した。
イランでの戦争や半世紀で最大規模のエネルギー危機、あるいは次に訪れる大陸横断的な危機が引き起こす影響を前に、世界で再び協調行動が取られる可能性は低下しているように見受けられる。協調の精神は失われつつあり、それがあったとしても、各国・地域に実行する余力があるかは大きな疑問だ。経済ショックへの対応を繰り返してきた結果、次の危機への備えは著しく不十分なままだ。