, コラムニスト
73年前のホルムズ海峡通過、「日章丸事件」が残す教訓
- 日章丸は当時急速に衰退しつつあった覇権国家の無力さを露呈させた
- トランプ米大統領は「歴史は繰り返す」を力強く実演して見せている
ホルムズ海峡を通常通る石油・天然ガスの約85%をアジア諸国が輸入している
Photographer: Elke Scholiers/Getty Images AsiaPac真夜中のホルムズ海峡を日本の石油タンカーが擦り抜けていく。位置を隠すため無線は切ったままだ。イランは西側諸国の制裁をものともせず、自国産原油の販路を確保する。そして国際エネルギー貿易のパワーバランスは、既存の覇権国から新興勢力にやがて移行していく。
今の中東情勢の描写ではない。1953年の「日章丸事件」は、その後数十年間に起きた幾つかの地政学的急変、1956年のスエズ動乱、60年の石油輸出国機構(OPEC)創設、73年の中東産油国による石油禁輸を予見させるものだ。