William Dudley "Bill", コラムニスト

プライベートクレジット問題は深刻だが、08年金融危機ほどではない

  • 問題の大規模な評価損、明らかな不正行為と関連-広範囲に及ばず
  • プライベート・ファンドは解約に制限、有害な投げ売り連鎖を抑制

プライベートクレジット市場で深刻化する問題は、より広範な金融危機を引き起こすのだろうか(写真はブルー・アウルのオフィス)

Photographer: Michael Nagle/Bloomberg  

プライベートクレジット市場で深刻化する問題は、より広範な金融危機を引き起こすのか。2008年のサブプライム(信用力の低い借り手)ローン危機を経験した筆者は、「ノー」と断言することに極めて慎重にならざるを得ない。ただ、それが起こる可能性は高くないとみている。

  まず、今回の問題で見られる大規模な評価損は、明らかな不正行為と関連している。確かに憂慮すべき現象ではあるが、広範に広がる可能性は低い。問題となっているファースト・ブランズ・グループやトライカラー・ホールディングスが同じ担保を複数の取引相手に差し入れていなければ、はるか前に破綻しただろうし、累積損失も大幅に小さかったはずだ。したがって、今後、そうした評価損が発生したとしても、多くは比較的軽微にとどまる可能性が高い。