スクエニ和田社長:新たなM&A戦略を推進-タイトー再建順調で(3)
2月1日(ブルームバーグ): スクウェア・エニックスの和田洋一社長は1日、ブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、新たなM&A(企業の合併・買収)を中核に据えた成長戦略を推進する方針を明らかにした。同社が買収したアミューズメント(AM)関連事業のタイトーの再建が順調なことや、世界的 な株安などM&Aの環境が整いつつあることが背景にあるとしている。
和田社長は「現状の業績は巡航速度に入っている」として通期業績予想の達成に自信を示した。そのうえで、来期の見通しに関連して「安定ではなく、成長を目指す」と強調し、「M&Aを中核に成長する路線は継続する方針だ」と語った。
同社の2008年3月期連結業績予想は売上高が前期比0.6%減の1625億円、営業利益は同19%減の210億円、経常利益は同24%減の200億円を見込む。タイトーの事業であるアミューズメント等事業部門は、積極的な施策により既存店の売上高は前年比で増加傾向、前年同期の7億5000万円の赤字から、第3四半期は16億円の黒字と堅調。
同社長は「タイトーの収益を持ち上げるのに2年かかった」とし、「ようやくきちんとした(M&A関連の)話に踏み込めるようになった」との認識を示した。
2年に1度のペースでM&A
和田社長は、2001年に旧スクウェアの社長に就任以来、2003年にスクゥエアとエニックス、2005年にタイトーとこれまでにほぼ2年で1回のペースでM&Aを実施し、軌道に乗せてきた、と語り、新たなM&A実施に向けて、①2年前に買収したタイトーの業績が急速に回復した、② 米国サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題の影響に端を発した世界的な株安により「攻める側としては有利」な状況下にある--などの点を挙げた。
M&Aの対象については、国内、海外幅広く考えているが、欧米だけでなく中国やインドなどの新興国のマーケットについても「常に事業展開が今のままでよいのか考えており、事業強化を視野に入れている」と語った。ただ、具体的な対象については「相手のある話なので」とコメントするにとどめた。
手元資金は1000億円
資金調達に対しても、和田社長は「いつでも出動できる資金が手元に約1000億円ある」として、さらに金融市場からの資金調達についても「外部からの資金調達もそう難しい環境では今はないのではないか」との認識を示した。
和田社長は、「今期は目玉商品がない状態だが、それでも第3四半期で営業利益が179億円、この規模の利益が出るか出ないかで生き残りの明暗が分かれる。その意味では、経営的には成功しつつある」との認識を示した。
ドラクエⅨ、市場投入は拙速にはやりたくない
一方、同社の主力ゲームタイトルで世界的ヒットとなった「ドラゴンクエスト」シリーズの次回新作「ドラゴンクエストⅨ」については、ユーザーから早期の発売を望む声が高まっている。和田社長はドラゴンクエストⅨについて「ほぼできあがっている。(シリーズでは)初めて通信に対応したものとなるため、1人向けと多人数向けの作品のバランスが大切」と調整のポイントを明らかにした。そのうえで、「ただ大型タイトルなので拙速にはやりたくない」と慎重な姿勢を示し、具体的な時期に関しては言及しなかった。
任天堂の新型ゲーム機Wii(ウィー)についても「適宜ソフトを増やしていく」として、Wii向けには春の任天堂のオンラインサービス開始にあわせてダウンロード専用のコンテンツを投入する方針だと語った。
スクウェア・エニックスの株価終値は前日比20円(0.7%)安の3030円。
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