5月22日(ブルームバーグ):ゲームソフトメーカー大手カプコンは21日、都内でアナリスト説明会を開催した。辻本憲三社長はこのなかで「同社が中長期的に売上高の伸びは10%、営業利益率では15%を達成する方針だ」と語り、「安定成長に向け、家庭用ゲームソフトとモバイルコンテンツ市場の販売拡大に注力する。特に海外での販売を重視し、グローバル企業として活路を見出す」との考えを示した。同社長が説明会直後にブルームバーグ・ニュースに語った。
辻本社長は、日米欧の3極の海外戦略を一段と重視するとしたうえで、「グローバルで通用するコンテンツ(情報の内容)の創出を目的とする株式の持ち合いや買収、提携は積極的に行う方針だ」と語った。 一方で、国内ゲーム会社や玩具メーカーなどとの合併やM&A(企業の買収・合併)は視野に入れていないとし、その理由として①海外で通用するコンテンツ確保が難しく、海外市場での販売拡大にはあまり寄与しないこと、②ライセンスなどの権利関係の処理が難しく複数の国でのビジネス展開は現実的には不可能であること――を挙げた。
「逆転」など売れ筋タイトルのシリーズで投入へ
辻本社長は、アナリスト説明会後にブルームバーグに対して、来期以降に、人気ゲームタイトル「逆転裁判5」、「バイオハザード5」などのシリーズソフトを投入する方針を明らかにした。
同社長は、次世代機が話題となるなかで、世界中で販売され、現在は日本では1万円台前半、米国では100米ドル台前半での購入が可能な家庭用ゲーム機の「プレイステーション2(PS2)」もまだまだ貴重なハードだとの認識を示した。これまでの既存人気タイトルの廉価版の投入も随時行い、コアなファンには最新型の次世代機向け、一般的な興味を持つ層には廉価版を入門用と位置付け、収益の機会を逃さず、販売シェア獲得に向けまい進するとの考えを示した。
さらに辻本社長は、次世代ゲーム機向けソフトへの開発投資などに向けた原資として、総額150億円のコミットメントラインをすでに締結、当面の開発に専念できる体制を整えつつあるとの自信を示した。同社は当面、エクイティファイナンスは行わず、タイトル開発や出店状況をにらみながら、コミットメントラインを中心に据えた資金調達を行う方針だ。
同社は今期のコンシューマー用ゲーム事業では、任天堂の家庭用ゲーム機「Wii(ウィー)」向け6タイトル、携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」は14タイトルをそれぞれ予定している。また、マイクロソフトのXbox360向けに前期発売した「ロストプラネット」のPC(パソコン)向けを販売する方針。 ゲーム事業では、売上高は前期比6%減の412億円、営業利益率は2.6ポイント減の15.8%をそれぞれ見込む。100万本を超える、3タイトルの人気ソフトが出た前期との比較では減収を見込む。
同社の今期(08年3月)連結業績予想は、純利益が前期比5.9%増の62億円、売上高は同4.6%増の780億円、経常利益は同3.8%増の110億円を予想している。
辻本社長は、株主への還元策の一環としての配当性向については、カプコンは長期国債の利回り1.5%程度を配当利回りの指標としていると語った。
カプコンの午前の株価終値は前日比110円(5.4%)高の2135円。
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