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日本株(終了)円安好感で3連騰、日経平均は9000円回復-全業種上げ

  10月30日(ブルームバーグ):東京株式相場は3連騰し、日経平均株価は終値で7営業日ぶりに9000円台を回復。米金融当局による利下げ決定後も、為替相場が円安傾向となったことで企業業績への警戒が和らぎ、輸出関連や新興国関連、金融株を中心に東証業種別33指数はすべて上げた。トヨタ自動車の終値は約3週間ぶりの高値、コマツは値幅制限いっぱいのストップ高。原油先物相場の上昇を受け、三井物産がストップ高となるなど大手商社が急騰し、鉱業や非鉄金属、海運なども高い。

  ソシエテジェネラルアセットマネジメントの吉野晶雄チーフエコノミストは、「各中央銀行が無制限に流動性を供給したことで、株式に対するアンダーウエートし過ぎの警戒感が出ている」と指摘。国際協調体制が確立された上に、来月15日にはG20を控え、「いつ協調介入があるか分からない状況では、円高は年内のピークを打ったのではないか」(同氏)と予想した。

  日経平均株価の終値は前日比817円86銭(10%)高の9029円76銭、TOPIXは69.05ポイント(8.3%)高の899.37。日経平均の上昇率はことし2番目、史上4位となった。東証1部の売買高は概算で30億3587万株、売買代金は同2兆2834億円。値上がり銘柄数は1493、値下がり銘柄数は176。

  東証業種別33指数で上昇率が高かったのは、海運を筆頭に精密機器、保険、非鉄金属、卸売、証券・商品先物取引、輸送用機器など。

            為替安定で恐怖感和らぐ

  日経平均は22日から27日まで4日間で2143円下落し、28日からの3日間で1866円上昇した。3日間での上昇率は26%で、日本経済新聞社が東京証券取引所から指数を引き継いで公表を開始した1970年7月以降では最高となった。直近下落分の87%を取り戻すなど、ここまでは「谷深ければ山高し」の状況。GCSAMの佐藤博代表取締役CIOは、「どこまで円高が進むかの不気味さが消え、需給面でもファンド破たんによる恐さも後退してきた」と、胸をなで下ろす。

  米連邦準備制度理事会(FRB)は29日、連邦公開市場委員会(FOMC)の定例会合を開き、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.5ポイント引き下げて1%に設定することを決めた。今回の米利下げ措置で、日米の政策金利は0.5%の水準まで縮小しており、「日銀は早ければ、あすに0.25%の政策金利引下げに踏み切る可能性があり、年度内にもゼロ金利、量的緩和策を再開する可能性が出てきた」(野村証券金融経済研究所の木内登英チーフエコノミスト)との見方も出ている。

  世界景気の悪化に歯止めがかからない中で、為替の円高が収益をどこまで悪化させるかの不透明感は強く、東京株式市場は為替動向に過敏に反応していた。しかし、米利下げ後も各国の協調体制への期待から為替が落ち着きを示したほか、アジア株や24時間取引のGLOBEX(シカゴ先物取引システム)の米S&P500種指数先物の上昇も追い風となった。トヨタアセットマネジメント投資戦略部の浜崎優シニアストラテジストによると、「為替はドル・円で100円前後がリーズナブルな水準。日本株は主要国の株式市場の中でも最も下げていたので、戻りも早い」という。

             輸出や市況関連高い

  東証1部業種別上昇率上位には、精密機器や輸送用機器、機械など輸出関連のほか、海運や非鉄金属、卸売など市況関連が並んだ。円安に加え、各国中央銀行による利下げが、原油などの需要回復の一助になるとの見方が広がった。中でも為替の極端な円高による恐怖感が和らいだ心理を裏付けたのがコマツの動き。前日に業績予想を下方修正したが、自社株買いの実施や株主還元の方針が評価された。株価が先行して下げていただけに、ストップ高買い気配の状況が続き、同水準で一部比例配分後も差し引き2400万株の買い注文を残した。

             警戒ムードなお残る

  もっとも、相場が大底を入れたかどうかについては、依然見方が分かれている。米利下げ後も、信用危機の指標であるTEDスプレッド(3カ月物のドルLIBOR=ロンドン銀行間貸出金利と米国債3カ月物の利回り格差)は2.8%と高止まり。また、現在の株高の背景の1つには世界的な利下げ期待があるが、米FF金利の水準は既に1%となり、主要国の今後の下げ余地は縮小してきた。「米雇用統計など景気指標が今後さらなる悪化を示した際には打つ手がなく、政策手詰まり感から株価が売られやすくなる」(ソシエテジェネラルの吉野氏)とされ、戻り相場の持続性を疑問視する声も聞かれた。

       ソフバンクがストップ高、DNAは値下がり1位

  個別の材料銘柄では、一部利益やキャッシュフロー予想を開示したことを受け、野村証券金融経済研究所やゴールドマン・サックス証券が投資判断を引き上げたソフトバンクがストップ高。08年4-9月期の連結営業利益が従来計画に比べて増加したもようのロームもストップ高で、09年3月期の連結経常利益が従来予想を上回る公算が大きいと30日付の日本経済新聞朝刊が伝えた三菱重工業は大幅続伸。業績予想の下方修正を午後に発表した三菱電機は、一時上げ幅を縮小する場面もあったが結局18%高で取引を終えた。

  半面、三菱UFJ証券が格下げしたディー・エヌ・エーは7日続落となり、東証1部値下がり率1位となった。日興シティグループ証券が格下げしたパシフィックホールディングス、業績予想を下方修正しコカ・コーラウエストホールディングスやセイコーエプソンはそろって急落した。

              新興3市場は続伸

  国内新興3市場は続伸。ジャスダック指数の終値は前日比0.18ポイント(0.4%)高の42.68、東証マザーズ指数は15.31ポイント(5.5%)高の294.78とそれぞれ続伸。大証ヘラクレス指数は11.89ポイント(2.6%)高の470.77と3連騰。

  個別では、ドイツ証券が投資判断を「買い」に引き上げたジュピターテレコム、開発品AD337関連の欧州での特許が成立したそーせいグループがそれぞれストップ高。4-9月期利益が従来予想を上回ったプロトコーポレーションは大幅高となった。半面、7-9月期純利益が前年同期比7.3%減益だったエーワン精密が軟調となり、売買代金上位では楽天、アールテック・ウエノ、フルヤ金属などが下げた。

記事についての記者への問い合わせ先:東京 長谷川 敏郎 Toshiro Hasegawa thasegawa6@bloomberg.net