12月9日(ブルームバーグ):世界的な不況で業績が悪化している家電世界2位のソニーは9日、液晶テレビなど主力のエレクトロニクス事業のコスト削減策を発表した。2010年3月期末までに正社員と派遣労働者らを合わせて1万6000人以上を削減し、製造拠点は57から約1割減らす。同期末までに年間で総額1000億円以上の費用削減効果を実現できる体制構築を目指す。
原直史業務執行役員SVPは、人員削減は、正社員を9月末の約16万人から約8000人削減し、派遣社員らも正社員と「同レベルかそれ以上」減らすと語った。派遣や請負は契約を更新しないなどの方法を取る。削減は製造部門が最も多くなる。
10年3月期の投資額は社内計画より約3割削減する。具体的には、今期(09年3月期)中に半導体事業で携帯電話向けCMOS(相補性金属酸化膜半導体)イメージセンサーの増産計画の一部を外部委託する。テレビの急激な需要減を受けスロバキア工場の液晶テレビ増産投資も延期する。これら費用の今期業績への影響は、09年第3四半期(08年10-12月)業績発表時に説明する。
ソニーは10月23日、金融混乱に伴う世界景気の悪化を背景に、今期連結業績予想を下方修正、純利益は従来予想比38%減額した。円高やエレクトロニクス部門の下振れを理由に挙げ、生産拠点の統廃合や設備投資見直しなどの検討を進めていた。
みずほインベスターズ証券調査部の倉橋延巨アナリストは、「構造改革費用が不明であるうえ、施策も具体性に欠ける」とコメント。GCSAMの佐藤博代表取締役CIOは発表を受けて、「歯止めなく経費がかかり収益が悪化する懸念はかなり消える」としながらも、どこに経営資源を投入するか「『選択と集中』の『集中』の部分が見えてこない」と語った。
海外2拠点で生産終結
同社は従来、生産調整や在庫圧縮などに取り組んできたが、円高に対応した商品価格の見直しや、不採算・非戦略事業の縮小や撤退も行う。今期中に、テープなど記録メディアの生産拠点であるフランスのダックス工場など海外2拠点での生産を終了する。原氏は、ユーロ安に対応してユーロ圏で来年1月に一部商品を値上げすることを明らかにした。
ソニーは11年3月期の中計経営目標として、株主資本利益率(ROE)10%などを掲げているが、原氏は目標の変更も「状況次第で検討」すると語った。今期の業績予想の再度の修正は「年末の状況を見たり、費用削減効果のインパクトを精査したりしたうえでないと具体的には言えない」と述べた。社債の償還費用などキャッシュフローについては「問題ない」としている。
ソニーの大掛かりなリストラ発表は05年以来。当時は、不振のエレクトロニクス事業再生に向け全従業員の6.6%に当たる1万人の削減や11工場の閉鎖、資産売却などを発表した。
ソニーの株価終値は前日比71円(3.9%)高の1896円。
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